1年生は前期を通じて、保育の意味や目的など、保育の基礎について理解を深めてきました。後期からは、いよいよ実践を重ねながら学びを発展させていきます。「保育内容総論」(担当:小熊 真弓 特任講師)では、さまざまな場面を想定し、子ども一人ひとりの育ちを支えるためにどのような保育が求められるのかを考えていきます。雨の日の過ごし方や、絵本を用いた関わりなど、日常とは異なる状況に応じた工夫も重要な学びのテーマです。


穴川中央公園で実習
12/10(水)、今日は自然環境を活かした遊びを学ぶため、稲毛キャンパス近くの穴川中央公園を訪れました。この時期の穴川中央公園にはたくさんの落ち葉が広がり、木には山茶花(さざんか)が咲き、そこかしこに木の実が落ちています。子どもたちにそのような自然物へ興味を抱かせることで、その感触やにおい、つぶしたときの音、色の違いなど、五感を通して自然を体験させることができます。どのようにしたら子どもたちに自然への興味を持ってもらえるのでしょうか――学生たちは、5歳児が自然に触れて遊ぶ姿を想定しながら、公園内を探索し、身近な自然をどのように保育へ取り入れるかを考えていきました。


穴川中央公園に到着すると、小熊講師は山茶花の花びらを手に取り、「これは何でしょうか」と学生に問いかけます。学生からは「花びら」という答えが返ってきましたが、講師は「子どもの感性に立って表現することが大切」と伝えます。よく観察すると、花びらはピンク色のハート型にも見えます。ただ名称を伝えるだけでなく、子どもの想像力や感受性を引き出す言葉がけが、保育には欠かせません。学生たちは「自然発見カード」に、見つけた自然物とその魅力を書き込み、子どもが興味を持って遊びへと広げられる関わり方を考えました。


園内を歩くと、小鳥がさえずり、針葉樹の枯れ葉がサクサクと音を立て、小道の上には大小様々などんぐりが落ちていました。イチョウ並木の周辺では一面黄色の絨毯が敷かれているようで、銀杏の実も見られました。学生たちは銀杏を拾うと口々に臭いといいますが、小熊講師は「子どもの感性では違うと感じるかもしれない。大人の否定的な言葉が、子どもの感じ方を決めてしまうことがある」と指摘します。大人の言葉の選び方一つで、子どもが自然に抱く印象や興味は大きく変わるのです。


自然に触れ、心を動かされる体験は、子どもにとって多くの「気付き」や「分かる喜び」をもたらします。自然物の変化に気付くことで好奇心や探求心が育ち、感じたことを言葉で表現する力へとつながっていきます。また、生命の不思議さや尊さを知り、命あるものを大切に思う気持ちも育まれます。今回の学びは、自然と共にある保育の在り方を、学生自身が実感をもって考える貴重な機会となりました。

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