教育方針
【建学の精神】敬天愛人
敬愛短期大学は、西郷隆盛(南洲)が座右の銘としていた「敬天愛人」の理念を建学の精神としている。「敬天愛人」に関して「南洲翁遺訓」には「道は天地自然の物にして、人は之を行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以って人を愛する也」とある。
この「敬天愛人」を教育的に捉え直した「敬天愛人教育」の理念は、「天地自然によって生み出され、生かされ生きていく者は、一人の例外もなく、誰もが天から与えられた人間の尊厳性と、人間として成長する無限の可能性を秘めている。これを最大限に伸ばして実現化させることこそ教育の基本である。また、教育する者が、教育される側の学生・生徒・園児の一人一人を心底から敬愛することである」という独自性をもった教育理念である。
教育目的
本学は、建学の精神である「敬天愛人」の理念に則り、一人一人の学生の尊厳を重んじ、可能性を引き出す教育を行うとともに、教育内容として“子ども”の発達の連続性及び教育と保育の関連性を重視した“子どもに関する総合的な学び“を標榜し、「敬天愛人」を自ら実践し得る、地域の初等教育・保育への使命感と奉仕の精神をもった人材の育成を目的とする。
卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
本学は、建学の精神である「敬天愛人」の理念を理解し、以下の3 点の資質・能力を身につけ、所定の教育課程を修了した学生に対し卒業を認定する。
- 保育者としての「使命感」を身につけている
子どもを育むことの価値を理解し、人間形成の基礎を培うことの責任を実感したうえで、子ども一人一人を敬愛し、常に向上しようとする意識を身につけている。 - 「遊び」を通した保育を実践できる力を身につけている
子どもが「遊び」を通して主体的に学ぶことの重要性を理解し、子どもの発達の段階に応じた保育環境の設定および関わりができる。 - 社会に貢献し得る「コミュニケーション力・課題解決力」を身につけている
主体的かつ協働的なコミュニケーションや課題解決能力をもち、子どもの健やかな育ちを支え、よりよい社会の実現に寄与することができる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
ディプロマ・ポリシーに基づき、以下のような教育課程を編成する。カリキュラム編成にあたっては、幼稚園教諭二種免許状及び保育士資格を、2 年間で取得することができるように、免許・資格関連科目を配置する。
各科目の内容や位置づけは、学生に周知され、教職員が一体となり単位修得や成績評価の状況に応じて、きめ細かな学修支援を行う。学生の主体性や意欲を引き出すアクティブ・ラーニングや実践的活動を多く取り入れている。
到達目標 | 教育方法 |
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1. 保育者としての 「使命感」を身に つけている | 保育者の特徴である、対人支援の専門職としての学びに向かうために、1年次前期に、「敬愛スタートアップゼミ」を配置し、少人数での対話的・主体的な学習に取り組めるようにしている。さらに、保育者としての社会的役割の理解を深め、子どもの育ちと子育て支援に対する使命感を醸成していくために、「保育内容総論」、「保育者論」を必修科目として1年次の段階に配置している。 また、保育活動を捉える基本的視点として、保育の5領域に対応した「子どもと健康」、「子どもと人間関係」、「子どもと環境」、「子どもと言葉」、「子どもと表現」を1年次、2年次に配置し、さらに表現領域においては、その技能を高めることを目的として「子どもと音楽Ⅰ~Ⅳ」、「子どもと造形」を2年間に渡り、系統的に配置している。 |
2. 「遊び」を通した 保育を実践できる 力を身につけている | 「遊び」を通した保育の重要性を深く理解することを目的として、「保育原理Ⅰ」、「教育原理」等の教育の基礎的理解に関する科目を1年次に配置している。また、子どもの心身の発達段階や認識の発達への理解を深める科目と
して、1年次に「幼児理解の理論と方法」、「育ちと学びの心理学」を配置している。 そして、子ども一人一人の育ちを保障した保育活動の設計ができるようになることを目的として、1年次、2年次において、保育の5領域に対応する保育内容演習( 健康、人間関係、環境、言葉、表現) を配置している。 さらに、「遊び」を通した保育実践への取り組みとして、「幼稚園実習指導」、「幼稚園実習」、「保育所実習指導」、「保育所実習」等の実習に関わる科目と「保育・教職実践演習」を2年間にバランスよく配置し、各科目で学んだ知識・技能を実習での学びへと応用していけるように設定している。 |
3. 社会に貢献し得る 「コミュニケーション力 ・課題解決力」を 身につけている | コミュニケーション能力を高め、多様な人々の支援者として活躍するために、「文章表現法」、「英語コミュニケーション」、「情報処理」、「生涯スポーツ実習」等の科目で多様なコミュニケーションのあり方への理解を深める科目を配置している。子どもの育ちだけでなく、子育てに関する社会的課題にも対応できるよう「教育相談」、「子育て支援」等の科目を配置している。 2年次の必修科目として、選択制の「敬愛ブラッシュアップゼミ」を配置し、学生一人一人の学びを深め、進路選択や地域貢献について確かな信念をもてるようにする。 |
入学者受け入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
保育の現場で活躍できる人材の育成を目指す本学は、以下のような人(入学者)を求める。
- 保育者を目指す明確な意思をもち、生活面・健康面での自己管理ができ、学び続けることのできる人
- 日頃より保育に関する事柄に広く関心をもち、子どもの成長・発達について理解を深めようとする態度をもっている人
- 対人関係能力に優れ、他者と協働し思いやりをもって子どもたちと関わることができる人
地域貢献に向けた大学としての共通目標
教員及び学生の地域における社会的活動
教員の社会的活動については、その目的が社会的な貢献となりうるものであり、また学内における直接的な教育・研究活動等に支障のない限り、積極的に取り組むよう勧めています。
同様に、学生の社会的活動についても、その目的が学生としての本分に適ったものであり、また本務である学業に支障がない限り、積極的に活動するよう奨励しています。
教員及び学生の社会的活動については、本学の拠って立つ佐倉市をはじめとする周辺地域から信頼され、地域社会のニーズに応える学びを提供し得るコミュニティー・カレッジとして積極的に活動するよう、今後とも奨励していきます。
地域社会に向けた公開講座の実施状況
本学では毎年小学生を対象にした「夏休み子ども向け公開講座」を行っています。 この公開講座は、佐倉市の「市民公開講座事業( 委託)」の一環で、敬愛短期大学が委嘱をいただいて今日まで実施してきました。
学生による地域活動、ボランティア活動等社会的活動の状況
学生は、さまざまな社会的な活動を行っています。いずれの活動においても、本学学生の参加態度は、大変誠実かつ精力的であり、非常に好評を博しています。
(1)の「通学合宿」は、市教育委員会からの委託を受けた本学からの学生派遣事業で、活動中の授業については公認欠席扱いとしましたが、(2)の事業は、学業に支障のない形で行われたものです。
(1)通学合宿(佐倉市教育委員会・佐倉市立中央公民館・八街市教育委員会)
通学合宿とは、高学年の子どもたちが親元を離れ、地域の施設において、異年齢集団で生活体験を行うことにより、自主性・協調性を高め、心豊かでたくましく生き抜く力を育むことを目的に行われるものです。また、家庭にとっても、一定期間、子どもと離れて生活することで、日頃の親子関係を見直し、家庭の教育力を向上させる機会となることを目指しています。
さらに、地域の方々が子どもの生活体験に関わることにより、地域の人々のつながりがいっそう深まり、地域の教育力が更に向上することを見込んでいます。
この通学合宿に、小学校教諭免許状の取得を目指す本学の学生がカウンセラー(佐倉市)及びリーダー(八街市)として参加し、児童の生活体験を支援する役割を果たしています。
年度 | 参加学生数 |
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令和元年度 | 12名(佐倉) 7名(八街) |
平成30年度 | 12名(佐倉)14名(八街) |
平成29年度 | 12名(佐倉)14名(八街) |
平成28年度 | 12名(佐倉)14名(八街) |
平成27年度 | 12名(佐倉)14名(八街) |
平成26年度 | 12名(佐倉)7名(八街) |
平成25年度 | 12名(佐倉)14名(八街) |
平成24年度 | 12名(佐倉)7名(八街) |
(2)児童の学習補助
夏休み中の児童の学習を補助するために、本学の初等教育コースの学生がボランティアで参加しました。
年度 | ボランティア | 実施日 | 参加児童 | 本学参加学生数 |
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令和元年度 | 佐倉市好学 チャレンジ教室 |
令和元年7月25日、 26日、29日 |
佐倉市立山王小学校 2・3年生 18名 |
8名 |
令和元年度 | 夏休み チャレンジ学習 |
令和元年 8月29日、30日 |
四街道市立南 小学校 154名 |
16名 |
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