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令和4年度 卒業証書・学位記授与式

  • 在学生の方へ

3月20日キャンパスの桜の開花が待ち遠しい中、令和4年度 卒業証書・学位記授与式を執り行いました。

119名の卒業生がそれぞれの道に向かって本学を晴れやかに巣立っていきました。

式典の模様は卒業生のメールアドレス宛に送付されるリンクからご確認いただけます。

在学生による送辞

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 本日は敬愛学園理事長の三弊利夫様を始め、多くの皆様のご臨席をいただき、加えて多数のご家族の皆様のご臨席を伴い、千葉敬愛短期大学の卒業式が挙行できますことを心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 卒業生の皆さんはこの二年間、入学式をはじめオリエンテーションや学校行事を十分に体験できませんでした。今年はコロナも収まりつつあり、保護者をお迎えした卒業式を行うことができました。少しほっとしています。本日、晴れて卒業式を迎え短期大学士号を授与された方は119名です。二年間にわたって皆さんの勉学と生活を支え、励まされてこられた保護者の方々に対しても深く敬意を表します。

 さて、学生の皆さんは二年前、夢と希望をもって入学したことでしょう。「敬短」の入試広報のキャッチコピーを覚えていますか。「小さな失敗を重ねた人を求めます」です。失敗は教えることができません。しかし失敗から学ぶことは多くあります。人生はすべてがうまくいくとは限りません。なかなか思いどおりにはいかないのです。どこかで妥協しながら折り合いを付けて乗り越えていきます。失敗を重ねることで、次の過ちを繰り返さない工夫が生まれます。知識でなく知恵が身に付きます。楽天イーグルスの元監督野村克也さんは「失敗と書いて成功と読む」という言葉を選手たちに伝えていました。含蓄のある言葉です。

 今、ウエル・ビーイングという生き方が注目を浴びています。これは「幸せ」と「福祉」、それから「健康」という内容を含んだもので、幸福学ともいわれています。今の幸せを大切にしています。これまでの学校教育はややもすれば未来志向でした。将来の夢を描き、そのためにどんな力をつければよいか、を力説していました。今頑張っているのは大人になった時、幸せに生きるためである、といわれてきました。しかし、残念ながら学校教育は「今」の生活に重点を置いてきませんでした。それでよいのでしょうか。ウエル・ビーイングは、今の幸せを問う生き方なのです。

 慶応大学の前野隆司先生は、ウエル・ビーイングの生き方をするために、次の四つのことを提案しています。

 一つ目は「やってみよう」です。トライ・アンド・エラーです。とにかく失敗を恐れずにチャレンジするのです。ここから、自己実現と成長が期待できます。

 二つ目は「ありがとう」です。自分があるのは周りの人に支えられているからだ、という自覚です。ここから「つながりと感謝の気持ち」が生まれてきます。

 三つ目は「何とかなる」です。沖縄の言葉では「なんくるないさ」です。明けない夜は来ないのです。ここから「前向きと楽観」が生まれます。

 最後の四つ目は「ありのままに」です。今の自分を丸ごと認めるのです。ここから「独立と自分らしさ」が生まれます。

 皆さん、この生き方はまさに本学の建学の精神そのものではないでしょうか。「天を敬い,人を愛す」の敬天愛人です。これはご承知のように本学園の創設者長戸路政司先生が尊敬した西郷隆盛が好んだ言葉です。

 「天を敬い、人を愛す」は私流に解釈すれば、自然の厳しさや美しさを体験し、世間の人々の優しさと心の広さに敬意を払い、失敗を恐れずにチャレンジし、人を好きになり、人のために、世のためになる生き方をしましょう、となります。

 本学で研さんを積まれた皆さんは、今日晴れて卒業します。これからは、本学で身に付けた教養と識見を元に、価値ある教育と保育の仕事に情熱を注ぐことを期待します。しかし、これからの人生は順風満帆ではありません。きっと山あり谷ありでしょう。その時に参考になるのが、昨年も紹介しましたが、私の好きな天台宗のお坊さんの言葉です。 

 失敗して利口になる
 挫折して強くなる
 人生において無駄はない

令和5年3月20日

千葉敬愛短期大学学長   明石要一