5~6月の3週間にわたり、2年生が幼稚園実習にいってきました。幼稚園での実習は1年生の11月にも行きましたが、前回は幼稚園、子ども、保育者を知ることが目的の「観察・参加」実習でしたが、今回の実習は実際に幼稚園教諭のようにクラスを受け持つことが課されます。3週間目には「責任実習」として、1人で1つのクラスをまる1日任されるという貴重な経験を積んできました(記事はこちら)。
7月19日(金)、2年生が実習を終えての報告会に臨みました。今回発表することは3点です。責任実習での“気付き”に加え、後輩へのアドバイス、そして特に重要なのが「エピソード記録」から学んだことです。エピソード記録とは子どもの姿や保育者の行動を観察し、保育の一場面を切り取って記述する記録方法です。なぜこの「エピソード記録」が大切なのでしょうか。それは子どもに寄り添うためには、観察から子どもたちの感情を推測することが大切だからです。今回の発表の準備にあたり、学生たちは自分が書いたエピソード記録をグループで共有し、そのエピソードにおいて子どもの気持ちがどうであったかを考察し合ってきました。
報告会では、グループごとにそれぞれの気付きやエピソード記録をまとめて発表しました。どのグループも共通して、子どもの発達段階に応じた対応を考えていた点が素晴らしいと感じました。
3歳児クラスを担当した学生は、3歳児クラスは月齢の差によって子どもの発達に大きな差があることを配慮しました。4月生まれの子どもにはできても、3月生まれの子どもにはできないことがあります。学生は3月生まれの子どもでも楽しめる活動として、紙皿にUFOの絵を描く遊びを実施したようです。
また、5歳児クラスを担当した学生は「一人で着替えができない」と言う子どものエピソードを紹介しました。学生は、手伝うのではなく、5歳児の発達を考慮し「どうやって着たらいいのかな?」と声をかけて、子どもの自主性を尊重したことを報告していました。保育者は子どもの考える力を信じ、さり気ない言葉がけによって、子どもが自らの力で成長するように促すことが大切だと発表する姿から、実習を通じて学生も大きく成長したことがうかがえました。