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特別支援教育の授業で学ぶ「子どもの気持ち」―“できない体験”から考える保育

  • 学生生活

保育の現場では、子ども一人ひとりの発達や特性に応じた関わりが求められます。特に、障害のある子どもや特別な配慮を必要とする子どもに対しては、その子の感じ方や困難さを理解したうえで支援することが重要です。

4月24日の藤川准教授が担当する「特別支援教育」では、その理解を深めるために、あえて「うまくできない状況」を体験し、子どもの立場から保育のあり方を考える学びが行われました。


今回のテーマは「不器用さ」です。学生はLLサイズの軍手を装着した状態で、20ピースのジグソーパズルに取り組みました。一見簡単に見える活動ですが、実際には手先が思うように動かず、ピースも扱いにくいため、作業がスムーズに進まない状況が生まれます。

さらに授業では、 「もう〇〇までできたね」「早いね」「もう〇人終わったね」 といった作業の速さに焦点を当てた声かけが行われました。このような環境の中で、作業が進まない側の立場を体験することで、子どもが感じる焦りや不安、心理的負担への理解を深めることがねらいです。

LLサイズの軍手をはめて20ピースのジグソーパズルに挑戦します
ピースが小さくて滑るのでうまくつかめません
「できた」と報告する学生に、藤川准教授は「早くできてすごい」「もう4人終わったね」など作業の速さをほめる声かけをします
周囲の学生が作業を終える中、なかなか進まず焦りや不安を感じる学生もいました

体験後は、子どもの自己肯定感を育てるための関わりや環境づくりについて検討が行われました。議論の中では、保育者の関わり方が子どもの感じ方に大きく影響することが共有されました。例えば、作業の速さではなく「最後まで取り組めたこと」や「過程」に着目した声かけへと転換すること、 「できた」という報告方法を声ではなく挙手などに変更することなどが提案されました。

また、環境面の工夫として、見本の提示、ピースの大きさの調整、グループでの活動への変更など、子どもの特性に応じた多様な支援の方法が挙げられました。


本授業から、環境や声かけの違いによって、同じ活動でも子どもの感じ方や経験が大きく変わることが見えてきました。特に、うまくできない経験は、そのまま自信の持ちにくさにつながる可能性があります。だからこそ保育の現場では、一人ひとりの特性に合わせた関わり方と、安心して取り組める環境を整えることが重要であるといえます。

本学では、こうした体験的な学びを通して、インクルーシブな視点をもった保育者の育成を目指しています。